日経平均、史上最速で7万円到達も9月は6万5000円台に伸び悩み 何があったのか

経済

日経平均株価は2026年6月18日、史上初めて終値で7万円台に到達しました。4月27日に6万円へ到達してからわずか2カ月弱というスピードで、史上最速の大台替わりとされています。しかし、その勢いは長続きせず、8月には歴史的な急落を経験し、9月上旬は6万5000円前後で伸び悩んでいます。株価を押し上げてきた「2つのエンジン」に何が起きたのかを、これまでの経緯・数字の推移・私たちへの影響という3つの角度から整理します。

数字で見る2026年の日経平均

時期日経平均できごと
2026年4月27日6万円到達
2026年6月16日取引時間中に一時7万円台(終値は6万9404円50銭)取引時間中としては初めて7万円台に乗せる場面があったが、終値では届かなかった
2026年6月18日終値7万1053円49銭終値として史上初めて7万円台に到達、6万円到達から終値ベースで史上最速
2026年8月18日前日比1759円安AI・半導体関連株が急落
2026年8月19日前日比2134円安(3.16%)下落継続、「SOSシグナル」と評される
2026年9月10日6万5270円95銭本サイト既報の通り、前日比128円17銭高

6月の7万円台から9月の6万5000円台まで、単純計算で5000円近い下落です。もっとも、9月に入ってからは大きく崩れることなく6万5000円前後で下げ止まっている点は、市場が新たな均衡点を探っている状況とも解釈できます。6万円から7万円までを終値ベースで史上最速で駆け上がった反動が、8月の急落という形で表れ、9月にかけて落ち着きどころを探っている、という一連の流れとして見ると分かりやすくなります。

6月18日、終値で史上初の7万円到達

日本経済新聞の報道によると、日経平均は2026年4月27日に6万円へ到達したあと、AI(人工知能)需要の拡大期待を背景とした企業業績の改善への期待から買いが続きました。6月16日の取引時間中には一時7万20円台まで上昇し、取引時間中としては初めて7万円台に乗せる場面がありましたが、この日の終値は6万9404円50銭にとどまりました。その2日後、6月18日の東京株式市場で日経平均は前日比1151円24銭高の7万1053円49銭で取引を終え、終値としては史上初めて7万円の大台を突破しました。6万円から7万円までの終値ベースでの到達スピードは、史上最速とされています。

8月の歴史的急落、9月は6万5000円前後で足踏み

ところが、集英社オンラインの報道によると、8月18日に日経平均は1759円安、翌19日にはさらに2134円安(下落率3.16%)を記録し、AI・半導体関連株が総崩れとなりました。この急落は「SOSシグナル」とも評され、その後も上値の重い展開が続いています。9月上旬の日経平均は6万5000円前後で推移しており、6月につけた7万円台からは水準を切り下げた状態です。

株価を支えた「2つのエンジン」に何が起きたのか

集英社オンラインの分析記事は、2026年前半の日本株上昇を支えた要因を「2つのエンジン」と表現しています。1つ目はAI需要の拡大に伴う半導体関連株への期待、2つ目は歴史的な円安です。円安は、輸出企業の海外での売り上げを円換算で押し上げる効果があるほか、海外投資家から見た日本株の割安感にもつながるため、株高の要因になりやすいとされています。

しかし、この記事が指摘する通り、2026年後半に入ってこの2つのエンジンの双方に「亀裂」が入り始めています。1つは8月のAI・半導体関連株の急落です。もう1つは、本サイトで先日取り上げた通り、日銀の追加利上げ観測の強まりを背景にした円高方向への転換です。7月末には1ドル=164円台まで進んでいた円安が、9月には154円台まで戻ってきており、円安を追い風にしてきた輸出関連株にとっては逆風に転じつつあります。つまり、日経平均7万円到達の裏側にあった2つの追い風が、8月から9月にかけてそれぞれ別々の理由で弱まりつつある、というのが今の状況です。

投資家が見極めるべきポイント

投資をしている・検討している人にとって:「7万円」という象徴的な水準からの調整局面は、短期的な値動きに一喜一憂するより、AI関連株への期待と為替動向という2つの要因のどちらが今後優勢になるかを見極める必要がある局面だといえます。特定のテーマ(AI・半導体など)に資金が集中している局面では、そのテーマに関する期待が変化した際の値動きも大きくなりやすいという点は、8月の急落からもうかがえます。

年金・保険に関わる人にとって:公的年金の積立金や多くの保険商品は株式市場で運用されており、日経平均の変動は間接的に年金財政などにも影響します。短期的な急落・急騰があっても、長期的な運用成績で評価される仕組みになっている点は理解しておく価値があります。

経済全体にとって:株価と為替(円安・円高)は密接に連動しており、本サイトで取り上げてきた日銀の金融政策の行方が、株式市場にも波及していく構図が改めて浮き彫りになっています。企業にとっても、円高が進めば輸出企業の採算に、AI関連の設備投資意欲に陰りが出れば半導体関連企業の業績に、それぞれ影響が及ぶ可能性があり、株価の動きは実体経済とも無関係ではありません。

2つのエンジンの行方

確定していること:日経平均が2026年6月18日の終値で史上初めて7万円台に到達したこと(6月16日は取引時間中の一時的な7万円台乗せにとどまり終値は届かなかったこと)、8月18日・19日に大幅下落したこと、9月10日時点で6万5270円95銭だったことは、確定した過去の記録です。

まだ確定していないこと:今後、日経平均が再び7万円台を回復するのか、それとともさらに調整が続くのかは、2026年9月12日時点では分かりません。9月17日・18日に予定される日銀の金融政策決定会合の結果次第で、為替と株価の両方が大きく動く可能性があり、その結果を見なければ判断できません。

「7万円到達」という華やかなニュースだけでなく、その後の急落・調整まで含めて見ることで、今の日本株が置かれている状況がより立体的に見えてきます。

※この記事は2026年9月12日時点で確認できた情報に基づいています。日銀会合の結果など、続報が判明し次第追記する予定です。

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