中日、14年連続でCS進出を逃す 12球団ワースト更新、それでも客足が伸びる理由

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中日ドラゴンズが、クライマックスシリーズ(CS)進出をまた逃した。2026年9月19日の巨人戦に大敗してBクラス入りが確定し、2013年から続く「CS進出なし」は14年連続となった。これは12球団で最も長い空白期間で、ワースト記録の更新だ。一方で、本拠地バンテリンドームナゴヤの客席は今シーズンも高い水準で埋まり続けている。勝てないのに客は減らない――このねじれには、中日というチームが14年間で経験してきた変化が映し出されている。

巨人に大敗、数字の上でも「もう追いつけない」

中日のCS消滅は、実は一度で確定したわけではない。中日新聞によると、まず8月19日の広島戦に敗れて3連敗を喫した時点で「自力でのCS進出の可能性」が消えている。この試合は先発の桜井が約2カ月ぶりの1軍登板で1回に逆転2ランを浴びるなど6回途中4失点、打線も10安打を放ちながら1点しか奪えず敗れる内容だった。それから1カ月後の9月19日、巨人に大敗したことで、他球団の結果を待つ「他力」の目もついに消え、Bクラス(4位以下)が確定した。

NPB公式サイトの順位表によると、9月19日時点でセ・リーグは阪神71勝58敗(勝率.550)が首位、巨人72勝59敗(.550)が僅差の2位で優勝争いを続けている。CS進出の最後の枠となる3位にはDeNAが66勝64敗(.508)でつけている一方、中日は57勝76敗(.429)で5位。中日の残り試合は8とみられ、仮にこれを全勝しても65勝までしか到達できない計算になる。DeNAはすでに66勝を挙げており、残り試合の結果を問わず、中日が3位に浮上する可能性は数字の上で消えている。中日スポーツも同日、「Bクラス確定、14年連続でCS進出逃す」と報じている。

CS制度と「14年」という数字の重み

クライマックスシリーズは2007年に導入された、リーグ3位までに与えられる日本シリーズ出場権をかけたポストシーズン制度だ。中日は制度導入から2012年まで6年連続でCSに進出し、当時は巨人と並んでセ・リーグの常連と見られていた。ところが2013年を境に一度も出場できておらず、今シーズンでその空白は14年に達した。

ただし、この14年間には一つ注釈が必要な年がある。新型コロナウイルスの感染拡大でシーズンが大幅に短縮された2020年、中日はセ・リーグ3位でシーズンを終え、本来ならCS出場権を得ていた。しかしこの年はセ・リーグのCS自体が、2007年の導入以来初めて中止になっている。理由は、当時ドーム球場を本拠地とする球団が巨人と中日の2球団しかなく、雨天中止に備えた予備日を確保する余裕がスケジュール上なかったためだ。つまり中日は「3位で出場資格を得ながら、大会そのものが開催されなかった」年を1年挟んでいることになる。それでも中日新聞をはじめ各メディアは、実際にCSの試合をプレーしていない年として2020年も空白期間に数えており、本記事もその数え方に沿って「14年連続」としている。

中日スポーツによれば、これはパ・リーグでオリックスが2015〜2020年に記録した6年連続、DeNAが制度導入初年の2007年から2015年まで記録した9年連続を上回る、12球団史上最長のCS不在期間だという。CS進出回数そのものでも、中日は2007年以降通算6度にとどまり、セ・リーグでは広島と並んで最少タイ、12球団全体でも楽天の5度に次いで少ない部類に入る。かつて「常連」だったチームが、いつの間にか「最も遠いチーム」になっていた格好だ。

14年間、リーグ順位はどう動いてきたか

NPB公式サイトの年度別成績によると、2013年から2025年までの中日の順位は、4位(2013年)、4位(2014年)、5位(2015年)、6位(2016年)、5位(2017年)、5位(2018年)、5位(2019年)、3位(2020年)、5位(2021年)、6位(2022年)、6位(2023年)、6位(2024年)、4位(2025年)と推移してきた。前述の通り2020年の3位はCS自体の中止で出場に結びつかなかったが、それ以外の年はいずれもCS圏内の3位に届いていない。2022〜2024年には3年連続の最下位(6位)も経験しており、5位・6位を行き来する状態が定着していたことが分かる。

6年連続進出の時代と、その後の14年は何が違ったのか

2007〜2012年にかけての6年連続CS進出は、その大半がリーグ優勝や日本一を経験した落合博満監督(2004〜2011年)の時代に重なる。ところが2013年以降、監督は高木守道(2012〜2013年)、谷繁元信(2014〜2016年途中)、森繁和(2016年途中〜2018年)、与田剛(2019〜2021年)、立浪和義(2022〜2024年)、井上一樹(2025年〜)と、14年間で6人が入れ替わっている。単純計算では1人あたりの在任期間は3年に満たない。編成方針が長期的に固まりにくい状態が続いてきたことが、成績低迷の一因として指摘されてきた。

「長打力がないから勝てない」という単純な話でもない。NPB公式サイトのチーム打撃成績(2026年度)によると、中日は135試合で打率.227、出塁率.298、本塁打111本、得点443。チーム打率はセ・リーグ6球団中5位と低いが、本塁打数はDeNA(120本)、阪神(113本)に次ぐ3位で、極端に見劣りする数字ではない。出塁率.298も巨人と並ぶ3位タイで、実は最下位ではない(最も低いのは広島の.288)。得点443を試合数135で割った1試合あたりの得点は3.28点で、これも6球団中4位にとどまり、打率の順位(5位)ほど悪い数字ではなかった。打率という一つの指標だけを見ると打線全体が沈んでいるように映るが、本塁打・出塁率・得点をあわせて見ると、実態は「際立って悪いわけではないが、ヒット1本1本の精度で他球団に一歩及ばない」という程度の差であることが分かる。

一方で、中日の生え抜き選手が規定打席に到達したシーズンで30本塁打を超えた例は、2006年に31本を放った福留孝介以降、20年近く出ていない。その後に30本塁打を記録した選手は、外国人選手のゲレーロ(2017年に35本)などで、生え抜きの大砲不在という課題は、本塁打数そのものが伸びている今シーズンでも解消されていない。投手陣で試合を作りながら、打線のむらっけが勝ち切れない試合を積み重ねる構図が、この14年間で大きくは変わっていない。

負けても、客足は減らなかった

それでも本拠地の観客動員は右肩下がりになっていない。むしろ逆だ。中日新聞(中日スポーツ)によると、2025年シーズンの主催72試合の観客動員数は252万832人、1試合平均3万5012人に達し、1999年以来となる250万人突破、実数発表が始まった2005年以降では最多を記録した。東京スポーツによれば、2026年シーズンも開幕直後の借金「10」という最下位圏の成績にもかかわらず、開幕から本拠地10試合の動員数が36万2201人(1試合平均3万6000人超)に達し、7試合が満員御礼(3万5000人以上)となった。これは前年同時期の開幕10試合(34万1786人)と比べても、平日6試合・土日4試合という同じ条件下で1試合平均1841人増えている計算だ。

この「弱いのに客が増える」現象は地元でも話題になり、名古屋のテレビ局・メ〜テレの情報番組「ドデスカ!」が「なかなか勝てないのにファンが増え続ける理由」を特集している。番組で紹介された観客の声には「誘われて初めて来た」「応援そのものが楽しくてリピートしている」「弱いチームこそ応援したくなる」「負け続けているからこそ、たまに勝った時の興奮が大きい」といったものがあった。井上一樹監督自身も「みんなが喜んでくれるような場面をつくれるようにしたい」と、勝敗以外の価値を意識した発言をしている。

「勝てば客が来る」という前提だけでは説明のつかない状況だ。順位が下位に沈んでいても、地元に根付いたチームへの愛着や、球場での応援体験そのものを楽しみに足を運ぶファン層が一定数存在することを、この数字は示している。成績と観客動員は必ずしも連動しない――中日の14年間は、その典型的な事例になっている。とはいえ、観客動員という指標だけを見て「経営は順調」と単純化するのも早計だろう。チームとしての勝敗という、ファンが最も見たい結果が伴っていない状態が続いていることに変わりはないからだ。

来季に向けて、まだ決まっていないこと

井上一樹監督はCS進出消滅が確定した試合後、「僕らは大口をたたく立場じゃない」「残りもしっかりとした試合をお見せするためにやっていく」と残りの試合への姿勢を語った。一方で、来季の監督続投の有無、オフシーズンの補強方針やコーチ体制、ドラフト戦略については、本記事の時点で公式な発表はない。

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まとめ

14年連続でCSに届かないという記録は、紛れもなくチームの成績としては深刻だ。ただし、それと同時に本拠地の客席が埋まり続けているという事実も無視できない。強さだけがファンをつなぎとめる唯一の要素ではないということを、中日の14年間は皮肉な形で証明している。とはいえ、観客の期待に応える最短の道が「勝つこと」であるのも変わらない事実だ。突出して弱いわけではないのに勝ち切れないという、数字だけでは説明しきれないもどかしさをどう解消するのか。6人の監督が入れ替わってもなお答えの出ていない問いに、来季どう向き合うのかが問われている。

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