Jリーグが今シーズンから「秋春制」に移行して迎えた新シーズンで、FC町田ゼルビアが好調な滑り出しを見せています。開幕から連勝を重ね、9月に入っても首位を守り続けている町田。指揮を執るのは、高校サッカー界の名将からプロ初挑戦でいきなりJ1昇格を果たした異色の経歴を持つ黒田剛監督です。チームの現在地を、リーグ自体の歴史的な変化・クラブと監督の歩み・今後の見どころという3つの角度から整理します。
開幕3連勝で首位発進、次戦はACL2初戦
Jリーグは長年の春開幕・秋終了という日程(春秋制)から、2026-27シーズンより「秋春制」(8月開幕、翌年5月終了、12月中旬〜2月中旬はウインターブレーク)に移行しました。この歴史的な移行期を経て、2026年8月8日・9日に開幕した新シーズンのJ1で、FC町田ゼルビアは開幕からFC東京に5-1、ジェフ千葉に4-0で勝利するなど3連勝を飾り、第3節の浦和レッズ戦も3-1で制して開幕3連勝(3試合合計12得点)で首位に立っています。日刊スポーツによると公式戦は4連勝を記録しました。9月に入っても首位をキープしています。
国際大会でも実績があります。町田は2025-26シーズンのAFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)に初参戦し、決勝まで勝ち進みました。2026年4月26日の決勝でアル・アハリ・サウジFCと対戦し、延長戦の末0-1で敗れ準優勝という結果に終わっています。今シーズン(2026-27)はACLEより一段下のカテゴリーにあたる「AFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)」に出場し、グループGで上海申花(中国)、PKRスヴァイリエンFC(カンボジア)、タンピネス・ローバースFC(シンガポール)と対戦する組み合わせが決定しています。グループステージは2026年9月15日に開幕し、町田の初戦は9月17日、町田市立陸上競技場でのPKRスヴァイリエン戦です。9月12日時点ではまだ試合は行われておらず、結果は出ていません。
「秋春制」への移行とは
Jリーグはこれまで、2月ごろに開幕し12月ごろに閉幕する「春秋制」で運営されてきました。しかし2026-27シーズンからは、8月に開幕し翌年5月に閉幕する「秋春制」に移行しています。冬の間(12月中旬〜2月中旬ごろ)はウインターブレークとして試合が行われません。この移行は、欧州の主要リーグと開幕・閉幕の時期をそろえることで、有力選手の海外移籍や国際大会の日程との整合性を高める狙いがあるとされています。真冬の厳しい寒さの中で試合を行ってきた従来の春秋制(1月・2月の試合)に対し、秋春制ではその時期をウインターブレークに充てられる点も、選手のコンディション管理や積雪地域の運営という観点から利点として挙げられています。移行期間となった2026年2〜6月には「明治安田Jリーグ百年構想リーグ」という特別大会が開催されており、今回取り上げている「町田が首位」というのは、この移行後に正式にスタートした2026-27シーズンでの話です。
これまでの道のり
FC町田ゼルビアは、日本サッカーの最下位カテゴリーにあたる都道府県リーグ4部からスタートし、J1まで到達した日本で唯一のプロサッカークラブとされています。2023年シーズンにJ2で優勝し、クラブ史上初めてJ1昇格を果たしました。2024年からJ1に参戦し、初年度のJ1リーグを3位で終えたことで、2025-26シーズンのACLE出場権を獲得しました。着実に力をつけてきた結果が、今回の秋春制初年度における首位発進と、前シーズンのACLE準優勝という2つの成果につながっています。
指揮を執る黒田剛監督の経歴も異色です。1970年生まれ、大阪体育大学卒業後、1994年に青森山田高校サッカー部のコーチに就任し、翌1995年から約30年間にわたって同校の監督を務めました。この間、全国高校サッカー選手権で3度の全国制覇を果たし、指導者として輩出したJリーガーは60人を超えるとされ、高校サッカー界屈指の名将として知られていました。プロでの指導経験がないまま2023年に町田の監督に就任し、その年のうちにJ2優勝・J1昇格という結果を出したことは、当時から大きな注目を集めました。東京新聞の報道では、こうした異色の経歴から黒田監督は「異端の指揮官」と評されています。高校生を相手に長年培ってきた「原理原則の徹底」という指導スタイルが、プロの舞台でもそのまま通用したことは、日本サッカー界における指導者のキャリアパスとしても異例のケースとして注目されています。
数字で見る町田の歩み
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1995年〜2023年ごろ | 黒田剛氏が青森山田高校サッカー部監督(全国選手権3度優勝) |
| 2023年 | 黒田氏が町田ゼルビア監督に就任、同年J2優勝・J1昇格決定 |
| 2024年 | クラブ史上初のJ1参戦、シーズン3位でACLE出場権を獲得 |
| 2025-26シーズン | ACLEに初参戦し決勝進出、2026年4月26日の決勝でアル・アハリ・サウジFCに延長戦の末0-1で敗れ準優勝 |
| 2026年8月8日・9日 | Jリーグ秋春制「2026-27シーズン」開幕 |
| 2026年9月時点 | 開幕3連勝・公式戦4連勝を経て首位をキープ。ACL2は9月15日開幕、町田の初戦は9月17日でまだ結果は出ていない |
都道府県4部相当のリーグからJ1の首位、さらにアジアの大舞台での準優勝まで、というクラブの歩みそのものが、Jリーグの中でも稀有な事例です。さらに、プロでの監督経験ゼロだった黒田監督が就任からわずか3年ほどでこの結果を出していることも、あわせて特筆すべき点です。
秋春制初年度の注目点とACL2の行方
サッカーファンにとって:秋春制という新しい仕組みでのシーズンが、どのチームにとっても「初めての経験」となる中、いち早く結果を出している町田の戦いぶりは、リーグ全体の注目を集めています。9月17日から始まるACL2で、前年のACLE準優勝の勢いをどこまで引き継げるかも見どころです。
高校サッカーファンにとって:青森山田高校の名将として知られた黒田監督がプロの舞台でも結果を出し続けていることは、高校サッカー関係者にとっても大きな話題です。
Jリーグ全体にとって:秋春制移行という歴史的な節目のシーズンで、これまで無名に近かったクラブが首位を走る展開は、リーグの新シーズンを盛り上げる材料になっています。伝統的な強豪クラブだけでなく、都道府県4部からのし上がってきたクラブにもチャンスがある、というJリーグの成り立ちそのものを象徴するストーリーとしても注目されています。
初優勝へ、長いシーズンの行方
確定していること:町田が2026-27シーズン開幕から好調を維持し、9月時点で首位を守っていること、黒田監督が「初のJ1優勝」を目標に掲げていること、前シーズン(2025-26)のACLEで準優勝したことは、各メディア・クラブ公式が伝えた確定した事実です。
まだ確定していないこと:この好調がシーズンを通じて続くか、実際にJ1初優勝を達成できるかは、2026年9月12日時点ではまったく分かりません。シーズンはまだ序盤で、来年5月の閉幕までには長い道のりが残っています。9月15日に開幕するACL2のグループステージで町田がどこまで勝ち上がれるかも、9月17日の初戦を待たなければ分かりません。12月中旬から2月中旬のウインターブレークを挟むという、これまでのJリーグでは経験したことのない日程を各クラブがどう乗り切るかも、秋春制初年度ならではの未知数の要素です。
※この記事は2026年9月12日時点で確認できた情報に基づいています。今後の試合結果やシーズンの行方が判明し次第、追記する予定です。
情報源
- https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/football/jleague_other/2026/07/30/j1fc/
- https://news.yahoo.co.jp/articles/498602aa2ceb800b76d87bf1bfe36c12c2469776
- https://www.tokyo-np.co.jp/article/385159
- https://www.city.machida.tokyo.jp/bunka/sport/hometown/zelvia_j1_omedetoooooo.html
- https://www.city.machida.tokyo.jp/bunka/sport/hometown/aclezyunyuushou.html
- https://news.yahoo.co.jp/articles/cd103881ed748ada84e38b6a2ed040c0d7d4d6d3
- https://www.soccer-king.jp/news/japan/jl/20260823/2195974.html
- https://goetheweb.jp/person/article/20230518-kurodago




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