ソフトバンク、パ・リーグ3年連続22度目の優勝 南海時代以来60年ぶりの3連覇に

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福岡ソフトバンクホークスが2026年9月17日、パーソル・パシフィック・リーグの優勝を決めた。京セラドーム大阪でのオリックス・バファローズ戦(リーグ23回戦)に7-1で勝利し、同日エスコンフィールドHOKKAIDOで行われた北海道日本ハムファイターズ対埼玉西武ライオンズ戦で西武が4-2で敗れたことにより、2位・西武の優勝の可能性が消えて優勝が確定した。これでソフトバンクは2024年、2025年に続く3年連続でのリーグ制覇となる。

「3年連続」自体は近年のプロ野球ではさほど珍しくないように思えるかもしれない。しかし今回の3連覇は、ソフトバンクの前身である南海ホークス時代の1966年以来60年ぶり、1989年に福岡へ本拠地を移してからは初めての達成だという。しかも偶然にも、同じ1966年という数字は、チームの新人投手が打ち立てた別の記録にも登場する。優勝までの経緯、歴代の数え方、順位表の数字、そして新人投手の活躍という4つの角度から見ていくと、単なる「強いチームがまた勝った」以上の重みが見えてくる。

京セラドームでの1勝と、同時に届いた西武の敗戦

優勝が決まった9月17日、ソフトバンクは京セラドーム大阪でオリックスと対戦し7-1で快勝した。優勝には、この試合に勝つことに加えて、2位につけていた西武がその日の試合で敗れることが条件になっていた。西武はエスコンフィールドHOKKAIDOで日本ハムと対戦し、3回に清宮幸太郎と野村佑希の適時打で先制されると、4回に追いついたものの、5回に進藤勇也のソロ本塁打、6回に野村佑希のソロ本塁打を許して4-2で敗れた。日本ハム先発の達孝太が7回2失点でこの試合の勝利投手となっている。この2試合の結果が同時に確定したことで、ソフトバンクの優勝が決まった。

「22度目」なのに「24回目」? 数え方の違いを整理する

NPB(日本野球機構)の公式発表では、今回の優勝は「3年連続22度目のパ・リーグ優勝」とされている。一方で、南海ホークス時代を含めた球団の通算優勝回数を語る際には「24回」という数字が使われることもある。これは矛盾しているわけではなく、数える範囲が違うだけだ。NPBが示す「22度」は、パ・リーグとセ・リーグに分かれた2リーグ制(1950年以降)でのパ・リーグ優勝回数を指す。これに、2リーグ制が始まる前の「一リーグ時代」に南海ホークスが優勝した2回を加えると、球団としての通算優勝回数は24回になる、という整理だ。「歴代何位」「通算何回目」といった数字を見るときは、どの期間・どの制度を対象にした集計なのかを確認しないと、数字だけが独り歩きしてしまう典型例と言える。

20度目、21度目、22度目 3年でつながった優勝

NPBの発表を年ごとに並べると、2024年は「4年ぶり20度目」、2025年は「2年連続21度目」、2026年は「3年連続22度目」となっている。「4年ぶり」ということは、その前の優勝は2020年で、2021年から2023年までの3年間はソフトバンクがパ・リーグの頂点から遠ざかっていたことを意味する。つまり今回の3連覇は、常に勝ち続けてきたチームがそのまま続けているものではなく、一度3年間タイトルを逃した後で立て直し、あらためて3年連続で優勝を積み上げた結果だ。優勝回数の数字だけを追うと連続性ばかりが強調されがちだが、その間に空白期間があったことも合わせて見ると、今のチームの強さがどのように再構築されたものかが見えてくる。

南海時代から60年ぶりの3連覇

球団史をさかのぼると、南海ホークスは1964年から1966年にかけてリーグ3連覇を達成している。今回の2024~2026年の3連覇は、それ以来60年ぶりのことだ。さらに、1989年に南海ホークスが福岡に本拠地を移し、福岡ダイエーホークス、福岡ソフトバンクホークスと名前を変えてきた「福岡時代」に限れば、3連覇は今回が初めてとなる。福岡移転から37年、数々のリーグ優勝・日本一を経験してきた球団にとっても、3年連続でリーグの頂点に立つことは久しくなかった達成だということになる。

11ゲーム差が示す独走ぶり

2026年9月18日時点のパ・リーグ順位表を見ると、ソフトバンクは84勝45敗、勝率.651で首位。2位の西武は73勝56敗(勝率.566)で11.0ゲーム差、3位の日本ハムは73勝57敗(勝率.562)で11.5ゲーム差となっている。4位以下のオリックス、ロッテはともにゲーム差24.0、6位の楽天は33.5ゲーム差まで開いており、上位3チームと下位3チームの間には大きな差がある。単純な勝数だけでなく勝率で見ても.651対.566と大きな開きがあり、優勝を争っていたはずの2位・西武との差が消化試合を待たずに決着するほどの独走だったことが分かる。なお2位・西武と3位・日本ハムのゲーム差はわずか0.5で、クライマックスシリーズに向けた2位争いは最終盤までもつれている。

投打のデータが示す強さの中身

独走の中身をチーム成績で見ると、意外な事実が浮かぶ。ソフトバンクのチーム打率は.260でパ・リーグ1位、132試合で647得点を挙げてリーグの得点力をけん引している。一方でチーム防御率は2.88で、実はリーグ1位ではない。1位は2位・西武の2.86で、投手力そのものはソフトバンクよりわずかに上という結果だ。つまり今回の独走は、投打ともに他を圧倒したというより、投手力は僅差の2位に踏みとどまりつつ、打率1位・得点力の差でリードを広げた結果と見るほうが実態に近い。西武が投手力で並ぶ数字を残しながら11ゲームも離されたのは、接戦を勝ちきる得点力の差が積み重なった結果だと考えられる。防御率だけを見て「西武の方が強い投手陣」と単純に結論づけるのも早計で、僅差の投手力に加えて打線の得点力が上乗せされた結果、順位表では大差がついたと理解するのが実態に近いだろう。

新人王最有力候補・前田悠伍が刻んだ「もう1つの60年ぶり」

チームの強さを支えた要素の1つが、大阪桐蔭高校出身で2023年ドラフト1位、現在21歳の左腕・前田悠伍だ。専門メディアの報道によれば、開幕から10連勝を記録した8月時点で、高卒3年目以内の投手が開幕10連勝を挙げるのは1966年の巨人・堀内恒夫氏以来60年ぶりだという。ソフトバンクの3連覇が南海時代の1966年以来60年ぶりであるのと、前田の記録が同じ1966年以来60年ぶりであるのは、あくまで偶然の一致だが、それぞれ別の角度から2026年シーズンの特別さを裏付けている。

NPB公式記録によれば、前田は2026年シーズン、9月17日終了時点で17試合に登板して12勝0敗、防御率1.90、投球回99.1、奪三振81を記録しており、登板した試合では一度も負けていない。チームの84勝のうち12勝を1人で挙げている計算になり、チーム全体の勝ち星の1割超を1人の投手が担っている。7月には月間MVPも受賞しており、数字だけでなく個人としての評価も高い。前田は2023年ドラフト1位でソフトバンク入りしたが、プロ入り後2年間の一軍登板が計14回1/3イニングにとどまっていたため、規定の投球回数に達しておらず、2026年シーズンも新人王の資格を保持している。なお、NPB公式の「規定投球回に達した投手」を対象にした防御率・勝利数ランキングには前田の名前は載っていない。これは前田の成績が見劣りするからではなく、開幕から一軍で投げ始めたのが4月下旬だったため、規定投球回(シーズン試合数に応じて定められる投球回の基準)にまだ届いていないためだ。参考までに、規定投球回に達した投手の中でのパ・リーグ防御率トップは西武・平良海馬の1.36で、前田の1.90はこれに次ぐ水準にあたる。最多勝や最優秀防御率といった公式タイトルの対象にはならない可能性がある一方、新人王は規定投球回を満たしていなくても記者投票で選ばれる賞のため、前田の受賞可能性そのものには影響しない。パ・リーグの新人王争いについて、スポーツ専門メディアからは前田の「独走」との見方が伝えられており、本人も新人王の獲得に意欲を示している。ただし、新人王は10月のシーズン終了後に記者投票で正式に決まるものであり、現時点ではあくまで有力候補という段階にとどまる。表彰の正式な結果は現時点では発表されていない。

4年目の小久保裕紀監督が率いるチーム

チームを率いるのは小久保裕紀監督で、2026年シーズンからさらに3年間の契約を更新したことが球団から発表されている。2023年途中から一軍の指揮を執り、2024年からの3年連続優勝はいずれも小久保監督の下での達成となる。柳田悠岐ら経験豊富な野手陣に加えて、前田悠伍のような若手投手を積極的に一軍で起用しながらリーグ独走を実現した点は、今後のチーム編成の方向性を占ううえでも注目される。3年契約を更新したばかりということもあり、来シーズン以降も同じ体制でのチーム作りが続く見通しだ。

この先に待つクライマックスシリーズと2年連続日本一

リーグ優勝によりソフトバンクは、2026パーソル・クライマックスシリーズでファイナルステージ開催権とアドバンテージ(1勝分)を得た状態で戦いに臨む。パ・リーグのクライマックスシリーズは、2位と3位のチームが3試合制のファーストステージで対戦し、その勝者が1位チームの本拠地で行われるファイナルステージに進む仕組みになっている。現時点では前述の通り西武と日本ハムが0.5ゲーム差で2位争いを続けており、ファイナルステージでソフトバンクと対戦するのがどちらになるかはまだ確定していない。チームは2025年に日本一を達成しており、今シーズンはリーグ3連覇に加えて2年連続の日本シリーズ制覇を目標に掲げている。クライマックスシリーズの具体的な日程や日本シリーズの行方については、この記事の時点ではまだ決まっていない。

まとめ

今回の優勝を「3年連続」という数字だけで見ると、近年よくある強豪球団の連覇の1つに見えるかもしれない。しかし球団の歴史をさかのぼれば、同じ光景は南海ホークス時代の60年前にしかなく、福岡に来てからの37年間では一度もなかったことが分かる。しかも2021~23年には3年間タイトルから遠ざかっていた期間もあり、今の強さは途切れなかった王朝の延長ではなく、一度立て直された上に築かれたものだ。中身を見ても、防御率は西武にわずかに譲る2位でありながら、打率1位・得点力で上回って11ゲーム差の独走に結びつけており、単純な「戦力の一極集中」では説明のつかない、投打のバランスが際立つ優勝だったと言える。11ゲーム差という順位表の数字と、60年という球団史の時間軸、そして新人投手が刻んだもう1つの60年ぶりの記録を重ねてみると、今回の3連覇が「よくある強いチームの勝利」ではなく、球団史の中でも数十年に一度の達成であることが見えてくる。

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セ・リーグでは2026年9月12日時点で阪神タイガースが優勝マジックを点灯させ、巨人との1.5差の首位攻防が続いていた。パ・リーグのソフトバンクが独走で優勝を決めたのとは対照的に、セ・リーグの優勝争いがどのような決着を迎えるかも注目される。

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